手術支援ロボット「ダビンチ(Da Vinci)」

手術支援ロボット「ダビンチ(Da Vinci)」

戸田中央総合病院は、2012年11月に埼玉県内でいち早く手術支援ロボット「ダビンチ(Da Vinci)サージカルシステム(以下、ダビンチ)」(米国Intuitive Surgical社)を導入し、泌尿器科でのロボット支援手術を開始。「ダビンチS」から「ダビンチSi」(2014)、「ダビンチX」(2020)にバージョンアップし、前立腺がん、腎がん(腎細胞がん)、膀胱がん、腎盂尿管移行部狭窄の手術を施行しています。

そして、2022年10月からは消化器外科において直腸がん手術での運用を開始しました。

手術支援ロボット「ダビンチ」とは

患者さんへの負担が少ない低侵襲の鏡視下手術(腹腔鏡下手術・胸腔鏡下手術)に、ロボット機能を組み合わせたのが「ダビンチ」です。
これまで不可能とされていた角度からの視野の確保と鉗子の細密な動きで、複雑な手術を可能にしました。

ロボット支援手術のメリット

傷口が小さい

手術に必要なのは0.5~1.5cmほどの小さな穴で、5~7か所程度です。切除部位を取り出すために、そのうちの1か所だけ4cm程度に広げることがあります。ロボット支援手術の傷口

手術中の出血量が少ない

「ダビンチ」の動きは精緻で止血も効果的にできるため、輸血が行われた例は少数です。

術後の疼痛が少ない

傷口が小さいため、痛みを軽減できます。

回復が早い

体への負担が少ない分、術後の回復が早く早期の社会復帰が望めます。

術後の合併症のリスクが低い

「ダビンチ」の鉗子の動きは、柔軟で緻密で正確です。病変部に的確にアプローチできるため、組織の損傷や合併症を抑えられます。

ロボット支援手術で期待できること

術野が立体的で広く、鮮明

立体的な3Dモニターで術野を10倍に拡大して見られるため、細部の手技が正確に行えます。執刀医自身が患者さんの体内に入って手術をしているようだと言われるほど、視界が良好です。ダビンチの3Dモニター視野

人の指先以上の動きを実現

「ダビンチ」の鉗子は、手首以上の可動域と、柔軟でブレない確かさを持ち、指先に勝る細かな動きを可能にしています。ダビンチの鉗子

手術中の執刀医の負担を軽減

手ブレ防止機能や、座って手術が行えることで、執刀医の負担を軽減。長時間、高い集中力を必用とする手術の正確性を高めます。

訓練を受けた医師のみが操作

「ダビンチ」は、関連学会が推奨するトレーニングを受けた医師のみが操作できます。当院には4名の医師が在籍し、「ダビンチ」での手術にあたります。さらに、当院には十分な経験と実績により指導医として認定されたプロクター2名が在籍しています。

当院で受けられるロボット支援手術

当院では、下記の疾患に対して「ダビンチ」によるロボット支援手術を導入しており、保険適応となります。

泌尿器科

  • 前立腺がん
  • 腎がん(腎細胞がん)
  • 膀胱がん
  • 腎盂尿路移行部狭窄

消化器外科

年度別ロボット支援手術実績

(単位:件)
2017 2018 2019 20202021
前立腺がん 51 73 61 4140
腎がん(腎細胞がん) 14 11 15 1112
膀胱がん 3 1 53
腎盂尿路移行部狭窄 11
合計6587775856

消化器外科医よりメッセージ

消化器外科部長
榎本 正統
Masanobu Enomoto

PROFILE
1999年東京医科大学卒業、外科学第三講座に入局。2021年11月東京医科大学消化器・小児外科学分野准教授に就任。2022年10月当院消化器外科部長に就任。

学会認定資格
  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
  • 日本内視鏡外科学会技術認定医・ロボット支援手術プロクター
  • 日本ロボット外科学会専門医 ほか
私はこれまで東京医科大学病院において主に結腸、直腸がんに対する外科治療を中心とした診療に従事しておりました。2013年にロボット手術に助手として参加した後、術者として経験を重ね、現在は日本ロボット外科学会の専門医、日本内視鏡外科学会の指導医として、大腸がんに対するロボット手術および後進への手術指導を行っております。

直腸がんに対するロボット手術の利点・欠点

開腹手術や腹腔鏡手術よりも精緻な操作が可能であるため肛門機能、性機能、排尿機能を温存できることが利点です。準備に時間を要するため手術時間が長くなることが欠点です。

どんな直腸がんでもロボット手術は可能か

ほとんどすべての直腸手術でロボット手術を保険適応で行うことができます。腹腔内に癒着がある方、高度肥満の方、高度浸潤がんの方などでは安全性、根治性を優先し開腹手術などをお勧めする場合があります。

今後の展望について

直腸がんに対するロボット手術は、精緻で自由度の高い動作が可能であることや外科医のストレスが少ないことなど多くの利点を有しています。私が2022年まで在籍した東京医科大学病院では、直腸手術の90%以上をロボット手術で施行していました。今後は、当院でも多くの直腸手術をロボットで行うことになると思われます。ダビンチによるロボット支援手術

費用について

当院では前立腺がん、腎がん(腎細胞がん)、膀胱がん、腎盂尿管移行部狭窄、直腸がんに対して「ダビンチ」によるロボット支援手術を施行しており、いずれも保険適応となります。

入院・手術に関わる費用は年齢や年収、健康保険制度によって異なりますので各診療科へお問い合わせください。

よくある質問

安全性はどうなのでしょうか?
これまで、世界でも「ダビンチ」の機械によるシステムエラーの報告は、わずか0.2~0.4%と極めて低いものです。当院でも事故の報告はありません。
手術に携わるスタッフは認定資格を取得し、熟練した技術を持っています。さらに、緊急時にも瞬時に対応できるよう日々技術を高める訓練を積んでおり、安全管理の徹底が図られています。
“ロボットに手術される”と考えると少し怖いです。
ロボットが手術を行うのではなく、ロボットはあくまでも医師の技術をサポートする役割。医師がロボットを活用し、より精度の高い手術を可能にしたのが「ダビンチ」による手術です。
「ダビンチ」手術は誰でも受けられますか?
年齢制限はありません。高齢の方でも、一般的に開腹手術、鏡視下手術に耐えられる状態であれば可能です。 ただし、病状や既往歴などにより「ダビンチ」が適用できない場合もあります。当院では担当医師が患者さんと十分に話し合って、術式を決めさせていただきます。

「ダビンチ」の機能

「ダビンチ」は下記の3つのユニットからなります。ダビンチ3つのユニット

①サージョンコンソール

「ダビンチ」のすべての働きをコントロールする司令塔。
術者は座った姿勢で3Dモニターを見ながら、両手両足を使ってコントローラーを操作します。
ダビンチのサージョンコンソール

②ペイシェントカート

3本の鉗子を取り付けるアームと内視鏡カメラを取り付けるアームからなります。サージョンコンソール(①)を動かすと、その手の動きがコンピュータを通してペイシェントカート(②)に取り付けられた手術器具に伝わり、遠隔操作で手術を行います。ダビンチのペイシェントカート

③ビジョンカート

術野を照らす光の調整とカメラからの画像情報の収集・処理を行い、鮮明な3D画像を術者に送ります。ダビンチのビジョンカート

受診について

医療機関の方へ(患者さまご紹介など)

かかりつけの先生方と当院とで連携がとれるよう適宜対応いたしますので、地域医療連携課へお問い合わせください。

患者さまの状態が安定した際は、紹介元医療機関(かかりつけ医)へ逆紹介させていただきます。

患者さまへ

初診は、“戸田中央総合病院あて”の紹介状が必要です。
かかりつけ医により専門的な治療が必要と判断された場合は当院あての紹介状をご用意の上、お電話にてご連絡いただきますようお願い申し上げます。
【お問い合わせ電話番号】
 0570-01-1114
 ※音声ガイダンスに従って番号を選択してください。

【電話対応時間】
 平日:8:30~17:00/土曜:8:30~13:00
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お問い合わせ先
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